【渦が森団地の眠れない子たち】10/5観劇レポート。ネタバレあり。あらすじや感想をお伝えします。

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人間嫌いのアラサーホステス愛彩 (@arisa74m) です。

10/4より上演の舞台「渦が森団地の眠れない子たち」を観劇してきました。

舞台情報はこちら↓

想像以上に生々しく重いストーリーや設定で、考えさせられる内容でした。

あらすじや感想にはネタバレ要素を含みますので、クリーンな気持ちで見たい方は観劇後に読んでいただけると幸いです。

これから観劇される方も、一度予習のためにあらすじを理解しておくのも良いと思います。その分、演出や役者陣の芝居に集中できます。

【ネタバレ】渦が森団地の眠れない子たちのあらすじ

舞台は大人になった田口圭一郎(鈴木亮平)のナレーションから始まります。

圭一郎は気が弱くすぐにお腹を壊してしまう少年でした。自分が唯一自分でいられる場所はトイレだけ。

そこに貼られた世界地図を見ながら、まだ見ぬ世界を思い絵を描くのが癒しの時間でした。

そんな圭一郎のいとこで親友の佐山鉄志(藤原竜也)は、周りの友達をいじめてばかり、人の気持ちを考えないガキ大将的な存在。

圭一郎と鉄志の出会い

鉄志は周りの子供に自分のことをキングと呼ばせ、BB弾で友達を撃っては遊んでいます。

2人の出会いは震災がきっかけ。

圭一郎の住む町は震災の被害が大きく、被害の少ないこの渦が森団地へ母と妹と引っ越してきたのです。

新しく越す団地にはお母さんの双子の姉とその息子が住んでいる。その人は「佐山」という苗字であること。

お母さんとそのお姉さんは仲が良くないから、あえて探すようなまねはしないこと。と言われます。

しかし同じ学年、同じ団地で2人が出会うのはあっという間でした。

兄弟のいない鉄志は親戚である圭一郎を本当の兄弟のように思い、親戚の誓を交わします。

キングは暴力や暴言で子供たちを従えるだけでなく、なぜかお金をたくさん持っていて、子供たちを金で釣ることもありました。

ただただ傍若無人な鉄志と無意味な暴力に圭一郎は嫌気がさしていくのです。

鉄志の抱える闇

外ではキングと呼ばれ、年上の中学生からも子供たちから恐れられる鉄志ですが、

実は孤独と母への恐怖と戦っていることが明かされます。

双子の姉として生まれてきた鉄志の母は妹である圭一郎の母を強く恨んできます。

幼少期には妹ばかり可愛がられ、自分は両親に無視されてきた。あいつの息子にだけは負けるな。

とものすごい剣幕で鉄志に当たります。

良い子にしてたらお金をあげる。と数万円を持たされる鉄志。

その間ずっと座り込み、顔をあげることはありませんでした。

震災で鉄志の父親は亡くなり、家には多額の保険金が入っていたのです。

しかし団地内では保険金詐欺だという噂も…

事件が起きる

ある日、団地の広場で野球をしていたときのこと

団地のマドンナ的存在のティーンモデルのダイアナ(太田緑ロランス)に圭一郎の打ったボールが当たり怪我をさせてしまいます。

鉄志はすぐに団地の他の3兄弟の子に罪をなすりつけます。キングに逆らえない3兄弟。絶対訴えてやると怒り狂うダイアナ。

その帰り道、僕が打ったボールなんだから謝った方がいいと圭一郎は鉄志に言いますが、

周りの奴は口封じをしたから安心しろ。とキング

そもそも、ダイアナの方にボールが行ってしまったのは、ダイアナに近づくきっかけが欲しかったキングの指示で、悪いのは僕だけじゃない。と口論になります。

日頃の無意味な暴力や理不尽さに耐えられなくなった圭一郎は、鉄志以外の子供たちを団地の自治会長あべさん(木場勝己)の家に集めます。

しかし、それを嗅ぎつけた鉄志はあべさんの家に乗り込み

「俺を除け者にしたな」

圭一郎の必死の言い訳もむなしく、翌日から無意味な暴力の対象は圭一郎へと変わります。

形勢逆転

ダイアナを怪我させてしまった事件。本当は圭一郎が打ったボールなんだということが母親にバレてしまいます。

本当はすぐ謝ろうとしたのに鉄志に無理やり止められた。と主張する圭一郎。

妹のつきこ(青山美郷)とともにダイアナのもとへ謝りに行きます。

そこへ鉄志が手下の子供たちを従えてやってきます。

本当は鉄志の指示で打ったこと、すぐに謝ろうとしたが鉄志に止められたことをつきこがみんなにバラします。

それをきっかけに鉄志と圭一郎は取っ組み合いのけんかになってしまうのです。

けんかの末、圭一郎が鉄志に勝ち、団地のキングの座は圭一郎のものとなります

変わってしまった圭一郎

キングになり子供たちを従える圭一郎ですが、おとなしかった性格もだんだんと暴力的になってしまいます。

周りの子供たちにも暴力をふるい、妹のつきこからも「お兄ちゃんが変わってしまった」と言われる始末。

鉄志がキングの座の奪還を図って何度も圭一郎のもとに現れますが、形勢は変わりません。

圭一郎に負けてしまった鉄志は「なんであいつの息子に勝てないの」と母親に叱られます。

ある日、圭一郎とつきこは小学生の陸上大会に出場するつきこのシューズを買いに街へと向かいます。

自転車で向かう二人の後ろを常に一定の距離を保ちついてくる鉄志。

突然一点を見つめて立ち止まった鉄志は遠くの飲み屋を指さして

「今お父さんが入っていった」と一言だけつぶやきます。

その後も一定の距離を空けてついてきた鉄志ですが、その帰り道

信号待ちをしていた3人は口論になってしまいます。

鉄志の言葉にカッとなったつきこは、信号がまだ赤なのに前進してしまうのです。

鉄志の謝罪

自転車の事故により、走ることが出来なくなったつきこは生きる希望を失っていました。

車いすのつきこのもとに鉄志が現れ、

「俺の足をやる。足をもいでお前にやる。」

怒った圭一郎は本当に足をもぎにかかりますが、

「本当にお前は善人なのかよ。悪人なのは俺だけなのか。」と問われます。

またもみ合いになる二人につきこは「あんたの足なんかいらない」と言い放ちます。

鉄志は靴下を脱ぎ、Tシャツを脱ぎ、ズボンを脱ぎ、下着姿で土下座をして謝罪します。

しかし、その光景を鉄志の母に見られてしまいます。

「なんでこんな奴らに謝ってんの?お母さんに恥をかかせるつもりなの?」

引きずって連れ戻そうとする母でしたが、鉄志はその場を動きませんでした。

暴れる母の周りには団地の人々が集まってきます。

その時圭一郎は、鉄志が誰にも見せたくなかった姿、ひた隠しにしてきた姿がこれなのだと悟ります。

「あんたが鉄志を叩くから、鉄志も友達を叩く、あんたが鉄志をバカって言うから鉄志も友達にバカって言うんだ」

と、圭一郎は鉄志を引きずる母の手を振りほどきます。

「あいつの息子のくせに私に指図するな」とさらに暴れる母の肩を鉄志は抱きかかえて家へと帰っていきます。

その数週間後、鉄志の両親は保険金詐欺で逮捕され、鉄志は孤児院へ行くことになりました。

別れの時

鉄志が団地を去る最後の日、いつもの森に圭一郎を呼び出します。

これ返すよ。と差し出したのは、かつてキングが圭一郎をいじめていた時に取り上げた圭一郎のノートでした。

そこには考えたお話と絵が描かれています。

俺はこのお話が好き、この絵は下手くそだよ。と楽しそうにノートの内容を語る鉄志でしたが、

急に暗い顔つきになり、最後のページの絵は何?と尋ねます。

そこには鳥や猫の死骸の絵が鮮明に描かれていたのです。

お前がやったのか。弱いものをいじめたらダメだ。と詰め寄る鉄志。

俺は本当に弱いものはいじめない。それがキングだからだ。という鉄志に対し、

震災後、死体安置所に並ぶたくさんの人間の死体を見てしまった日から、感覚が失われていく日々が続いていた。

鳥を殺した日、自分の中で生きているという感覚が沸き上がってきた。

でももうやっていないんだ。と圭一郎は懸命に伝えます。

鉄志はノートのページを破り、

「お前の弱い部分は俺が持っていてやる。これからはお前がキングとして、キングにふさわしい行動をしろ。誓え。」

と最後に再び二人は誓を交わすのです。

その後、大人になった圭一郎は鉄志がどのような人生を歩んだか知りませんでしたが、

彼の言葉だけは今も鮮明に覚えているのでした。

渦が森団地の眠れない子たちのみどころや印象的な場面

ひときわ目立つ、蜷川実花さんの作品。こんなところでお目にかかれるとは。

笑いあり涙あり

笑いあり涙ありと言いますが、まさにその通りで細かなギャグ要素がいたるところに散りばめられています。

設定やあらすじだけ見るとすごく重く感じますよね。

しかし、小学生らしいセリフや動作、空気感があり、声をあげて笑ってしまう場面もたくさんあります。

最後の圭一郎の二面性が暴かれるシーンでも、動物虐待という全く笑えない内容なのですが、それも小学生の会話になると、少し笑ってしまうような部分もあったり。

笑いあり涙ありを通り越して、「泣きながら笑う」という感じでした。

藤原竜也と鈴木亮平の小学生

実際に同級生のお二人が同級生の小学生役を演じたわけですが、

インタビューで鈴木亮平も役者としては真逆の2人と言っていた通り、全く違うタイプの小学生の演じ方でした。

蓬莱さんが二人のために書き下ろしたということもあってか、

藤原竜也はそのまんま藤原竜也。という感じ。もちろんいい意味で。

「うっせーばーか」とか「お前ふざけんじゃねーよ」的なワードは、ラジオとか、バラエティーとか、藤原竜也さんの口からよく聞くな。

地べたに寝っ転がって暴れるシーンもカイジを彷彿させる感じ。

本人もインタビューで特に役作りはしていないと仰っていましたし、彼はきっとそのまんま小学生なんですね。

鈴木亮平の小学生はそれとは対照的に、怒った時の地団駄の踏み方とか、手の振り方とか、「あーたしかに小学生ってこんな動きするわー」と感じるものでした。

また、鈴木亮平は小学生の圭一郎と心の声的なナレーションが同時進行で進んでいきます。

セリフ量もすごいですが、ナレーションと小学生としての実際の動きが同時進行にも関わらずそれぞれの演じ分けが素晴らしかった。

蓬莱さんの演出もさることながら、鈴木亮平の演技すげー!と感動しっぱなしでした。

藤原竜也がかわいい。かっこいい

これは藤原竜也ファンの方は共感してくれると思うのですが…読み飛ばして頂いて結構です。

まず藤原竜也ファンのみなさまに伝えたいのは、

藤原竜也を存分に楽しむためには、舞台上手側の客席がおすすめです。

子供だから舞台全体を駆け回るのですが、上手でじっと客席の方を見る演出があります。

おたのしみに!

そして、小学生の藤原竜也めっちゃかわいい。いつもの50倍くらいかわいい。

クソガキなんですが、それもまたかわいい。

小学生役だから、かっこいい感じはないのかな。と思っていたのですが、

まぁなんてったって声がかっこいいのでね、かっこいいですよね。

かっこいいとかわいいどちらも楽しめます!

最後のご挨拶

東京では10/20まで、それ以降も佐賀県、大阪、名古屋、広島、仙台とあります。

公演スケジュール

ストーリーや設定自体も重いのですが、生の舞台でのお芝居だからこそ、熱量がありさらにずーん。となります。

映画にしたらここまで笑ったり泣いたりしないんじゃないかな。

それくらい濃い舞台でした。

うずだん公式サイト

観に行く予定がある方もない方も、参考にして頂ければ幸いです。

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

愛彩

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